向白神岳・白神岳・白神天狗岳

向白神岳 ムカイシラカミダケ 標 高 1250m 日本の山1000 山 域 白神山地
白神岳 シラカミダケ 標 高 1232m 日本二百名山 山 域 白神山地
登 山 記 録
登山月日 2015年4月23日〜24日
登山経路 第一日目
白神岳登山口駐車場5:05〜登山ポスト5:20〜蟶山分岐8:00〜大岳分岐10:00〜白神岳避難小屋10:15/10:25〜玄関岳11:20〜向白神岳13:25/13:55〜玄関岳15:45〜避難小屋16:45
第二日目
白神岳避難小屋7:10〜蟶山分岐〜水場9:10〜登山ポスト10:40〜駐車場10:50
行動時間 第一日目 11時間40分 第二日目 3時間40分 合計 15時間20分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候 第一日目 晴  第二日目 晴
メンバー  
情   報
アクセス 登山口駐車場まで舗装道路
トレイル 白神岳までは夏道あるがこの時期最終水場から上部は残雪を踏む
向白神岳までは登山道がなく残雪期にしか歩けない 藪漕ぎでの登頂はほとんど不可能
水場・トイレ 水は最終水場までは随所で取れる 雪が消えても白神岳直下で取れるらしい
トイレは登山口の休憩舎と山頂にトイレ棟がある
その他 2年前の雪辱を果たすことが出来た
山行記

蟶山尾根を登りきると向白神岳が見える・避難小屋から向白神岳目指す


白神岳←(玄関岳から)→向白神岳


向白神岳への稜線を歩いて

2年前は白神岳避難小屋まで入ったが翌日はホワイトアウト状態で撤退を余儀なくされたが、今回は2日ともに天気はよさそうであるので雪辱が果たせそうである。山レコには1週間前に向白神岳を日帰りした記録も出ていたので、とても心強く思った。
2年前と同じ支度・荷物であったが、随分と重く感じて年齢を意識させられた。最終水場までの時間も前回よりはかかってしまったが、急ぐこともないと思いながら歩いた。水場から先の雪渓に出ると蟶山分岐に出る夏道が出ていたので躊躇なく夏道に進んだが稜線付近には残雪があって道探しに時間を取られた。蟶山分岐の尾根に出たのは結局登山口に入ってから3時間近くかかっていた。これでは1日目に向白神岳往復は厳しいかなと思いながら、15分ほど蟶山稜線を進むと立木にピンクリボンが下がり水場から雪渓を直登する鞍部であった。一昨年はここに登りあげたので20分くらいは余分に時間がかかってしまったが今年は雪解けが早く雪渓もここまでは繋がっていないようであった。一昨年と同じ4時間半で白神岳避難小屋に入る計画であったが、30分は遅くなりそうだ。「10時半までに小屋に入れなかったら今日の向白神岳アタックは諦めよう」と思うと少し気が楽になった。相変わらず肩に食い込むザックを担いで蟶山稜線を進み、最後は急登の残雪と一部出た夏道を歩いて、白神岳稜線の大岳分岐には10時に登りついた。谷を隔てて対岸に向白神岳が姿を見せていたが随分と遠くに見えて、疲労の度合いも大きく「やはり今日のアタックは無理だ」と思うのであった。向白神岳にカメラを向けていると、後続の単独行氏がここまで3時間かかって登りついて、「遠くに見えるが2時間もあれば着くよ」と話しかけてきた。私も「単独行氏ほどは歩けないけれど、荷物が軽ければ予定通り片道3時間・往復6時間あれば向白神岳踏んで避難小屋まで戻れる」と確信し、15分ほど先の白神岳避難小屋に急いだ。小屋に食料・炊事セット・シュラフなどを素早くおろして、軽荷になって10時半前に小屋を出た。単独行氏が白神岳山頂で「気を付けてな〜」と声かけてきた。

白神岳からは雪原を大きく下って行く。アイゼンを忘れてきたのが気がかりであったが、キックステップ切れば柔らかな腐れ雪で、それ程滑落の心配などはない。所々に藪が出ていたが、慎重に歩いて玄関岳の鞍部に下った。ようやく先が読めるようになって、樹木の枝に腰を下ろして休憩した。少し焦っていたことを反省し、玄関岳に登り返した。遠くに見えた向白神岳の山頂に続く稜線が良く見えて、振り返ると白神岳の稜線も大雪原の上に長く続いていた。白神岳と向白神岳を両にらみできるのが玄関岳である。玄関岳を下るところが一番の難所であったがキックステップを切りながら慎重に下り、急な斜面のトラバースも問題なく乗り切ることが出来た。玄関岳を下りきると向白神岳への稜線につながるやせ尾根を2度ほどアップダウンしながら越えて行く。ダケカンバの疎林の中を進み、いよいよ向白神岳に続く稜線に着くことが出来た。白神岳避難小屋から1時間半ほどかかっていた。ここで昼食休憩を取った。緊張と焦りで喉がカラカラであった。
休憩の後は稜線を行く。最初のピークが1164mピークで、ピーク手前で雪が落ちていて藪に突っ込んだが大した藪漕ぎではなかった。向白神岳がだんだんと近づいてくる。1220mピークまで来ると向白神岳はもう僅かである。雪堤も途切れることなく続いていて快適残雪歩きである。白神岳避難小屋からは予定通り3時間ジャスト、13時半前に向白神岳に着いた。ダケカンバの木に山頂標識がくくりつけられていて、山頂標識には「三角点はこの先270m・最高点もここではない」ということも書いてあった。ザックを下ろし、最高点・三角点目指したがすぐ先から藪の尾根になっていて疲れた体では藪漕ぎをする気力がなかった。「まあニセピークでも標識があるところまで来たから」と納得し、腰を下ろして休憩である。重畳たる白神山地の山並みの先に岩木山も見えるが霞がかかっていた。白神山地も天狗岳・二ッ森・藤里駒ケ岳・小岳・田代岳・白神岳と随分と山頂に立ったものだと思うが、山座同定も叶わぬほどの山々が連なっていた。
帰りも同じ時間がかかるかと思えば山頂ステイも30分ほどで切り上げて往路を戻る。玄関岳の登り返しがきつかったが、玄関岳鞍部からの白神岳への登り返しはさらに厳しかった。それでも往路のトレースを追うことが出来たので復路は僅かに短縮できて、17時前には避難小屋に入ることが出来た。

2年ぶりの懐かしい避難小屋では雪で冷やしたビールと焼酎のお湯割を飲み、レトルトのカレーライスで腹を満たすと、疲れと酔いで一気に爆睡状態に陥るのであった。一昨年は翌日の天気が気になりまた小屋をゆする強風であまりよく眠れなかったが、今回は向白神岳登頂を果たした後でもあり、風もなく静かな避難小屋で一晩過ごせたのである。


ニセピークに付けられた標識と藪の先に見える最高点と三角点峰


向白神岳から来し方を望む・重畳たる白神山地の山


第二日目


避難小屋から岩木山方面からのご来光を仰ぐ・一等三角点の白神岳に立つ


白神岳避難小屋の3階の窓は東西にあって、朝は東側の岩木山からの朝日が望め、夕方は日本海に沈む夕日が見える絶好のロケーションである。
岩木山からのご来光を見ながらお餅入りのラーメンの朝食を作った。部屋の片づけとパッキングを済ませると小屋を7時の出発となった。2度もお世話になった避難小屋で名残は惜しい。白神岳の一等三角点をカメラに収めた後、右側の対岸に向白神岳を見ながら大岳分岐に進み、もう来ることはない向白神岳に別れを告げて蟶山稜線を下った。疲労残りが激しく蟶山分岐に着くころには股関節が悲鳴を上げ始めた。脱水症状が出はじめたのである。今日はここを下るだけと思えば気が楽で、水場でゆっくりと休みながら登山道脇の春の花々をカメラに収めながら、登山口のポストには3時間40分もかけて下り、11時前に駐車場に着いた。


二度もお世話になった白神岳避難小屋を後にして向白神岳ともお別れ


白神岳 シラカミダケ 標 高 1232m 日本二百名山

山 域

白神山地

登 山 記 録
登山月日 2013年4月27日〜4月28日
登山経路

4月27日
駐車場11:15〜白神岳登山口11:30〜最終水場12:30〜マテ山稜線13:50〜山頂避難小屋15:45
4月28日
避難小屋11:50〜マテ山尾根取り付き12:20/13:50〜水場14:50〜登山口15:40〜駐車場15:50

行動時間 登り 4時間30分 下り 4時間(ロスタイム約1時間30分) 合計 8時間30分 (ロスタイム・休憩時間を含む)
天  候 4月27日 曇・霧  4月28日 曇・霧
メンバー 単独

情  報

アクセス 登山口の駐車場まで舗装道路
トレイル 最終水場まで夏道 その先は残雪拾う
水場・トイレ 水場ある 雪溶かし トイレは山頂にある
その他 世界自然遺産の白神山地前衛の山

山行記

 
駐車場とその先の休憩舎・登山ポスト

 
マテ山尾根への急坂・尾根に登りつく

 
山頂付近の祠・山頂避難小屋

4月27日
白神岳山頂避難小屋に一泊して、向白神岳往復の計画である。
前夜は登山口の休憩舎がまだOpenしていないので駐車場で車中泊したが、小雨降る夜で朝になってもスッキリしない。初日は白神岳の山頂に立つ避難小屋までの半日行程であるから、遅くとも12時の出発で良さそうである。一旦十二湖方面に回り、トイレや朝食を済ませ、霧に巻かれた十二湖も車で一回りしてきた。雨は10時過ぎには上がり、登山口に戻ると一台の車が停まっていた。先行するものが居て心強い限りである。

2泊分の食料などの入ったザックを背負い、11時過ぎに大きな休憩舎の脇を入って行く。わずかに進むと登山ポストが立っていて、入山記帳を見ると先行者は7時に出発していた。3日前の4月24日には避難小屋に一泊して向白神岳を往復してきたという記帳もあって、いよいよ私も目標の向白神岳への期待が膨らむのであった。
登山口からは夏道が現れて樹林帯の中緩く登ってゆく。10年前に一度歩いている道であるが記憶はほとんどない。30分ほどで二股分岐に着くが山腹をまきながら延びる二股コースは登山道崩壊により進入規制されていて、蟶山(マテヤマ)分岐への道に入る。更に30分ほどで雪解け水が流れ下る最終水場に到着した。ここで2リットルほどの水を補給し、雪が現れた登山道をトラバース気味に進む。10分ほど進むと完全に残雪の中で夏道は不明となって先行者のトレースを追う事になり、ブナ林の中高度を上げてゆく。2回ほど急傾斜をしのぐと白神岳〜蟶山に延びる支尾根に登りついた。夏道であれば蟶山分岐の看板が見られるところであろうが残雪2m位有り看板は見る事が出来なかった。

此処からはブナ林の中緩やかな尾根道を快適に進むがガスが濃くてトレースをしっかりと追う。
傾斜が増してブナ林を抜ければ森林限界となって強風吹きすさぶ山頂に続く稜線に出る。霧が晴れていればきっと素晴らしい展望が開けているであろうと思われる中10分ほどトレースを追うと笹薮の中に祠が現れ、その先には大きなトイレ棟が立っていて並ぶように雪に二階まで埋もれた山頂避難小屋が見えた。
避難小屋には先行者の若者が一人寛いでいた。私もザックを下ろし部屋備え付けの銀マットに荷物を広げ大きく息をつくのであった。早速おでんを温めビールを飲み焼酎のお湯割で冷えた体を温める。先行した若者はムスコと同じ年の五十嵐君で少しばかり焼酎を分けてあげて山談義に花が咲く。
明日の好天を祈りながら夜の帳が下りるとシュラフに包まった。

4月28日
夜半から風雪強くなり吹雪模様であったが頑丈な避難小屋でゆっくりと休めた。
夜明けになって外を覗くと視界は5mほどのホワイトアウト状態で、隣のトイレ棟が霧の中にシルエットを映す程度であった。小屋前の新雪は吹き飛ばされて、氷結状態である。
目標の向白神岳に向かうには、ここから往復8時間を覚悟しなければならないし、下山も3時間要するので遅くとも6時には小屋を発たなければならない。それに昨夜降った新雪が、昨日は登山口から白神岳山頂まで残っていた3日前のトレースを完全にかき消していた。
一晩一緒に過ごした五十嵐君は早々に向白神岳往復を諦め、12時までには下山する計画変更である。私は2泊分の食料を持ってきたので、1日は停滞し様子見しても良いのだが、なかなか決断できないでいる。10時半過ぎに私も下山を決断し白神岳山頂写真を撮りに出かける。相変わらずのホワイトアウト状態で山頂写真を撮って小屋の戻ろうとすると霧の中から3人の登山者が現れてビックリする。小屋の戻ると3人組も後に続いて小屋に入ってきた。地元のベテランで「3月にも此処まで来たが向白神岳には行けなかった。明日は天気回復しそうなのでなんとか向白神岳往復しようと思う」と言う。私も悩ましい思いがよぎる。「せっかく此処まで来たので。来年来れるという保証も無いので・・・」。しかし天気予報は「今日は晴れる」と言いながらその兆しは少しも見えないし、明日晴れる保証もない。結局下山の支度を始めた五十嵐君と行動を共にすることにする。「五十嵐君、来年は絶対再チャレンジだね」と無念の撤退である。

12時前に小屋を出て相変わらずホワイトアウトの中、今朝登ってきたばかりのトレースを拾いながら余裕の下山である。山頂稜線を進み十二湖に下る大峯分岐付近からマテ山への尾根に差し掛かる頃、3人組の一人と思っていた若者が後を追ってきた。聞くと「今朝登山口に入り途中で地元の2人組に追いついて行動を共にした」と言う滋賀県から来たと言う春山君である。彼は私達を追い越して一目散に急坂を下って行った。私達も先ほどまで追ってきたトレースを無視して疑うことなく彼の後を追う。「地元のよく道を知ったものだろう〜」と楽観しながら沢筋に入りどんどん下る。「どうも怪しいな〜登りトレースが無いぞ」と声を掛け合うころになると、若者が頭を掻き「道が違うようだ」と言いながら戻ってきた。五十嵐君が地図とコンパスで確認し結局上り返すことにする。20分ほどかかって急坂を登り返し、踏み跡探すがなかなか見つからない、なんとか逡巡しながら登りのトレースを見つけマテ山に延びる支尾根に入ることができた。約1時間半ほどのロスタイムの道迷いであった。しかし此処で3人に連帯感が生まれたのである。雪面に腰を下ろし名乗りあいながら軽食を取った。

後はもう間違えることはない。尾根を緩く下り、急坂の樹林帯は滑落に注意しながらゆっくりと下って最終水場に到着しアイゼンを外す。春山君は連休を利用して北海道の利尻富士を目指して秋田港のフェリー乗り場まで来たが予約のフェリーに間に合わなかったと言う不運である。東北山旅に切り替えたようである。
若く足の速い春山君を先に行かせて、五十嵐君とゆっくりと夏道を下った。登山口に着いて記帳所を覗くと今日は小屋で会った地元の登山者以外に弘前勤労者山岳会のの7人グループなど3組ほどの記帳があった。しかし下山途中では誰にも会うことが無かったので不思議に思えた。三俣分岐の前にマテ山に直登するコースもあったからマテ山経由で登ったのであろうかと推測された。

駐車場に戻ると休憩舎が開けられて快適な休憩室とトイレを見ることができた。五十嵐君と来年の再会を約束して白神岳登山口を後にした。

 
白神岳山頂・無念の撤退

 
一晩一緒に過ごした五十嵐君・途中から一緒に下った春山君


十二湖

 
インクを流し込んだような十二湖を代表する青池


十二湖の玄関口五能線十二湖駅

 


日本二百名山 白神岳 シラカミダケ 標 高 1232m

山 域

白神山地
登 山 記 録
登山月日  2003年6月12日
登山経路 陸奥黒崎登山口8:30〜水場9:45〜マテ山分岐〜山頂11:35/12:00〜登山口14:10
行動時間 登り3時間05分 下り2時間10分 合計5時間40分(休憩時間含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 青森県岩崎村の陸奥黒崎まで走ってきた。R101の白神岳登山口
トレイル 急坂は少ないが長い尾根道を歩く
水場・トイレ 水場途中にある トイレは山頂避難小屋にある
その他  
山行記

 
白神岳山頂と後ろが世界遺産の向白神岳

長野を夜10時に出発し新潟まで高速を走り、深夜のR7疾走して山形県を通過、道の駅「鳥海」で2時間半の仮眠をとった。更に早朝の秋田県を抜けて、一気に青森県岩崎村の陸奥黒崎まで走ってきた。R101の白神岳登山口の標識は見落とすことがないほど目立つ看板である。
案内に従い、林道を10分ほど入ると立派な登山休憩舎が立てられていた。駐車場も100台ほども入れる大きさでびっくりする。過疎地対策の公共事業かと思うが穿ちすぎであろうか。ここで仮眠を取って早朝登山をするには素晴らしい施設であって登山者には朗報である。
休憩舎から5分ほど歩いたところが登山口である。途中、山ウサギが林道に飛び出してくるが、何だかエサをねだっているようで、木の陰からこちらを伺っている。ブナの林の中、最終水飲み場までは緩い傾斜の登山道が続き、マテ山分岐までは少し傾斜がまして息を弾ませるがそれ程のこともない。マテ山分岐からはブナ林の、ながい尾根道をたどる。小さなアップダウンを繰り返しながら歩き続けると白神岳への最後の登りとなる。
ブナの林が小灌木に変わると視界も開けて山頂が見えてきた。先行していた青森県自然保護観察員の方が休んでいた。ザックをおろしてしばし休憩する。振り返ると歩いてきた尾根道が一望できてその先には日本海が見える。海岸ベリの山はそんなに登っていないので新鮮な感激を覚える。僅か登って山頂へ続く稜線に着く。ここからは世界遺産に登録されている「向白神岳」等のブナの密生地が一望できる。
更に稜線を10分も歩けば白神岳山頂であった。山頂には避難小屋とトイレが立っていて、何とも無粋な趣である。この時期やはり遠望は利かず岩木山・八甲田山などとの再開は果たせなかった。白神山地の核心部を覗きながら自然保護観察員がいろいろ説明してくれる。
世界遺産登録地帯には登山道もなく中にはいるにはルートファインディング技術とザイルワークなどが必要で、「それは厳しいけれども楽しい登山である」と教えてくれた。白神岳とは白神山地核心部を望める好展望台の山と言うことが分かり納得するのであった。ブヨとハエの襲来に辟易し昼食も取らずに往路を一気に下った。


登山口の休憩舎

 


天狗岳 テングダケ 標 高 958m 日本の山1000

山 域

白神山地

登 山 記 録
登山月日 2013年8月18日
登山経路

白神ライン・天狗峠11:55〜天狗岳14:10/14:20〜天狗峠16:30

行動時間 登り 2時間15分 下り 2時間10分 合計 4時間35分 (休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 白神ラインは西目屋村と深浦町岩崎を結ぶ 途中から未舗装の林道
トレイル アップダウンの続く稜線歩く 藪が被さるところも多い
水場・トイレ 登山口にはないが、白神ライン途中に何箇所かトイレある
その他 天狗岳は世界遺産白神山地の核心部の入り口

山行記


天狗岳山頂標識と登山口の白神ライン天狗峠

深浦町の岩崎から白神山地を横断する白神ラインに入ってしばらく進むと舗装道路は終わり砂利道となったが、雨上がりにもかかわらず、路面はそれほど荒れてはいなかった。途中には休憩ポイントとトイレがあって、手厚く管理されていてやはり世界自然遺産であることを知る。
白神ラインの最高点が天狗峠で、5〜6台の駐車スペースがあり、天狗岳登山口である。2台ほどの車が止まっていたが一台は地元の軽トラックで、もう一台は関東ナンバーである。登山の支度をしていると登山口に古老が下ってきて、「登山道を少し刈り払いしてきた。これから天狗まで行くのか」と声かけてきた。地元の同年輩氏でボランティアで登山道を整備してくれていることを知るとありがたく思うのである。「今からなら下山は5時を回るな。気をつけてな」の声に送られて登山道に入る。
登山道は刈払いもされて良く踏まれていて快適である。登山道に入ってすぐに天狗岳分で下山してきた登山者と交差した。天狗峠〜天狗岳までは殆ど標高差はないが小さなアップダウンが連続している。しかしそれほど気になることもなく稜線を急ぐ。
少し藪が被さる煩い登山道になる頃、曲がり角で喉に痰がつまり大きく咳払いしたとたん、目の前5mほどを黒い物体が「ウー」と唸り声を一声挙げて藪の中に駆け込む。熊であった。「熊よけの鈴をつけていなかったので熊さんも分からなかったのだな〜」とあらためて熊よけ鈴を下げた。そして登山道に被さる笹薮を掻き分けながら白神山地の核心部の取り付きになる天狗岳山頂に達した。山頂の展望は余りよくなくて、今年春目指した白神岳も特定できなかった。
山頂で軽食を取って往路を急ぎ戻ったが復路もまた往路と変わらぬ時間を要して天狗峠に戻った。

天狗峠からは西目屋村側に下った。白神ラインを走っていると雷雨が降り始めた。

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