十石山・安房山

十石山 ジュッコクヤマ 標 高 2525m 日本の山1000

山 域

乗鞍岳周辺


山頂らしくない十石山(前の台地)と二等三角点の標石


早朝の焼岳・笠ヶ岳方面と穂高連峰

 
山頂直下の雪渓から眺める乗鞍岳と穂高岳


残雪のシラビソ林をひたすら上ると山頂直下は雪渓が残る

 
小屋の建設に尽力された故竹前さんの遺影が守り神の小屋で快適な夜を過ごす


結局これが一番

登 山 記 録
登山月日 2006年5月24日〜25日
登山経路 24日 白骨温泉駐車場10:05〜林道登山口10:25〜1800台地11:40〜十石山避難小屋14:05〜山頂14:15〜避難小屋
25日 避難小屋5:50〜1800m台地7:10〜林道7:50〜白骨温泉駐車場8:05
行動時間 登り4時間10分 下り2時間15分 合計6時間25分(山頂避難小屋一泊)
天  候 24日晴/霧 25日晴
メンバー 単独

情  報

アクセス 白骨温泉までは問題なし、林道登山口までも車進入可能
トレイル 取り付きのカラマツ林は急傾斜であるがジグザグにきられた登山道1800m台地から先は残雪の中で赤布も期待できない。シラビソ林をひたすら山頂方面目指して登り、最後は100mほどの雪渓
水場・トイレ 白骨温泉で 避難小屋にもトイレはない
その他 静かな山を好む登山者には良い 展望は抜群

山行記

十石山は、丁度一ヶ月前、まだ雪が締まっていない悪コンデションの中、登山道取り付きのカラマツ林の上の台地までしか登れなかった。
もう雪が消えて今度は藪漕ぎが煩わしいのだろうかと気を揉みながら白骨温泉に到着した。2回目のことで迷うことなく駐車場に車を止め、避難小屋泊まりの支度をして林道に入る。林道を20分程進むと変電設備のあるカーブに、林の中に入る登山道があるが案内はない。林道をそのまま進むと本来の登山口があるのだろうかと思う。
林の中を10分ほどで十石山への登山標識が現れ急傾斜のカラマツ林に案内している。前回はこの林を抜けるのに難儀し、結局引き返さざるを得なかった因縁の山である。雪が消えた今回は、笹薮にジグザグに登山道が切られていて少しも迷うこともなく、汗をかくほどのこともない快適な登山道であった。カラマツ林を抜けるとシラビソの大木に「1790m」の標高が書き記された高原台地に登りつく。ここで一息入れる。
ここからは完全な残雪の中となる。シラビソの巨木の中にダケカンバの幼木が混じる台地を20分も進むと少し下る。ここが・・・沢の源頭であろうか。再び急傾斜の山肌を登り始めるが夏道が見えない中、赤布も薄く木々の間を縫ってただひたすら山頂方向を目指す。それでも気合が乗っているのか疲労は感じない。高原台地から1時間半ほどで、ようやくまばらになったシラビソ林から山頂直下の雪渓が見えてきた。雪渓を渡る距離を少しでも短くと思いながらハイマツ帯方向に進む。
アイゼンを着けるほどのこともない雪渓を50mほど登って、山頂直下のハイマツ帯沿いに進むと目の前に避難小屋が現れて小躍りする。5時間掛かるものと思っていたが4時間丁度で小屋に到着した。早速ザックをおろし、少し雲行きが怪しくなった山頂を目指す。10分もしないうちに高原状の山頂に着く。山頂標識はなく、二等三角点がハイマツの中にひっそりと佇んでいた。前方の乗鞍岳も後方の穂高連峰も雲に頭を取られそうである。展望は明日の楽しみにして避難小屋に戻る。
快適な十石山避難小屋建設に尽力し、3年前この山域で山スキーを楽しむ中、遭難死した中野市の竹前さんの遺影が飾られていた。私も合掌しご冥福を祈る。なるほど素晴らしい避難小屋である。マットも寝袋もそして毛布もふんだんに用意されていて食料さえ持参すればゆっくりと休むことができる。利用者もこの小屋のコンセプトを理解してか、持って上がって余ったものは小屋においてゆくものがあるのか飲料水の入ったペットボトルも何本か並べられている。しかし食料のあまりなどはあっても利用する者はいないのであるから、持ち帰るのがマナーだ。紙パックに入った日本酒も残されていたが手を出す気にはなれない。照明用の石油ランプもあるが私には使い方が分からない。
2階にマット2枚と毛布を敷いて持参の寝袋の上に毛布を2枚用意して今夜の寝場所を確保する。
ビールと日本酒を飲みながら何も考えることのない時間を過ごす。窓の外を見るとガスが掛かってきたが明日の天気は問題なさそうで少しも気が揉めることはない。携帯電話が通じることが分かり、何人かの山友達にメールを送る。ラジオから流れる音楽を聞きながら体を横たえると一気に睡魔が押し寄せ、風もなく静かな十石の夜は更けてゆくのであった。
2回ほど目を覚まし窓外を覗くとまばゆいばかりの星空で明日の好天が予想された。
少し冷え込みを感じて起きると東の空が明るくなってご来光の時間であった。小屋にあった防寒着を借りて外に出る。グァグァとライチョウの鳴き声を聞きながら明け行く穂高岳や乗鞍岳をカメラに収める。まさに至福の時間を独り占めしている。ゆっくりとこの時間を楽しみたいのであるが下界に用事を残していては長居はできないのである。
パンをかじって腹ごしらえをし、荷物をパッキングし、念のため6本爪のアイゼンを装着する。小屋をきれいに片付けた後、しっかり戸締りをして雪渓を下る。適度にアイゼンが利いて快適な雪渓くだりである。シラビソ林に入っても快調に下る。
1800m高原台地でアイゼンをはずし、ジグザグ切ったカラマツ林を過ぎると林道に下る。
ようやく朝が来た白骨温泉には8時の下山となり、公共の温泉がオープンするのを待って野天風呂に入る。誰もいない温泉でゆっくりと疲れと汗を流した後、松本の浅間温泉で開かれた会議場へと向かったのである。

 


安房山 アボウサン 標 高 2220m 標高2000m超峰 山 域 北Alps
登 山 記 録
登山月日 2019年9月6日
登山経路 安房峠10:15〜稜線13:15〜安房山13:40/14:10〜安房峠16:40
行動時間 登り 3時間25分 下り 2時間30分 合計 6時間 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 単独
情   報
アクセス 安房峠まではR158
トレイル 以前はしっかりした登山道と思われるも藪化が激しく赤布を追う
水場・トイレ 峠の茶屋も廃止され峠付近にはtoilet水場はない
その他 下山時一時道を外し「遭難か?」の不安がよぎった
山行記

安房峠から見る穂高岳


藪を漕いで安房山へ


穂高岳・霞沢岳と山頂付近にある電波中継施設

R158安房峠の茶屋は撤去されていて通る車も少ない寂しい峠であった。
登山口は県境標識の立つ場所から送電鉄塔に登り安房tunnelの排気塔の先からであるが、入口が藪に被されていてはっきりとはわからなかった。藪の先に踏み跡らしきが見えるので藪かき分けながら進んだ。やがて急坂にかかるとはっきりとした登山道が現れたが鎖梯子が付く悪路に変わっていた。樹林の中急坂を100mほど凌ぐと傾斜も緩み前方に安房山と思しき稜線が見えてきた。一息入れた後緩んだ登山道を行くが、日当りの良い所はクマザサの藪化が激しく、両手でかき分けながら藪の下の道を外さないように進んだ。倒木が道を塞ぐたびに道を失いがちになるが赤布を頼りに前進した。トラバース気味の道はほとんど藪に消されていた。標高差500mほどの稜線には2時間もあればと思っていたが3時間もかかってしまった。藪の中で行き来したことばかりでなく体力低下も激しいのだと思った。登り着いた稜線は二重山稜になっていて間には小さな湿原もあった。稜線上はさらに藪化が激しく山頂まではさらに30分近くかかった。三角点を見落として最高点を過ぎると無人の宿泊施設もある国土交通省の電波中継施設が立っていて驚いた。何かあるとここまでヘリコプターで来るのだろうかと思わせられる立派な施設であった。最高点に戻って二等三角点を発見したが山頂標識は見当たらなかった。笹薮の中に腰を下ろして遅い昼食を摂った後往路を下った。とにかく道を外さないようにと気を配ったが、トラバース場所で道を失い藪の中を下ってしまい、スマホのGPSで往路を確認し30分ほど藪と格闘して正規ルートに戻るというアクシデントもあった。往復4時間もあればと思っていた安房山なんと6時間もかかってしまった。

山行の記録に戻る