常念岳・蝶ヶ岳山脈の山

島々〜徳本峠〜大滝山・蝶ヶ岳・常念岳〜一ノ沢

大滝山 オオタキヤマ 標 高 2615m 信州百名山

山 域

北アルプス
蝶ヶ岳 チョウガタケ 標 高 2677m 信州百名山

山 域

北アルプス
常念岳 ジョウネンダケ 標 高 2857m 日本百名山

山 域

北アルプス
登 山 記 録
登山月日 2008年7月31日〜8月2日
登山経路 7月31日
島々駐車場6:35〜二俣8:20/8:30〜岩魚留小屋10:50/11:20〜徳本峠14:25
8月1日
徳本峠6:20〜明神見晴らし7:20〜大滝槍見台8:35/8:45〜稜線の花畑11:00〜大滝山南峰11:35〜大滝山荘11:45/12:30〜蝶ヶ岳ヒュッテ14:10
8月2日
蝶ヶ岳ヒュッテ6:20〜蝶ヶ岳三角点6:50〜2512mピーク8:25/8:35〜常念岳10:10/10:25〜常念乗越11:10/11:25〜一ノ沢登山指導所13:55
行動時間 第一日目 7時間50分 第二日目 7時間50分 第三日目 7時間35分 
合計 23時間15分 (休憩時間を含む)
天  候 第一日目 晴  第二日目 晴  第三日目 晴
メンバー 単独

情  報

アクセス 島々駐車場までは舗装道路 一ノ沢登山指導所までは舗装道路の林道
トレイル 徳本峠までは荒れてはいるが問題ない 大滝山までは原生林の中少し笹が被さる
大滝山〜常念岳は樹林帯・ハイマツ帯・岩稜帯とアップダウンが連続する
水場・トイレ 水場は徳本峠前の力水以外は小屋で
その他 北アルプス前衛の常念山脈の一部

山行記

島々谷を2時間ほど歩いて二俣に着く。サワグルミの大木が茂る南沢の沢沿いを2時間少し歩いて岩魚留小屋についた。更に南沢を詰めて最後は傾斜の増した草付を登りきると徳本峠の小屋の前に出る。平日の今日は小屋泊10人程度、テンバには4張の静かな夜であった。

徳本峠からは原生林の中の登山道となり、1時間ほどで「明神見晴」につき、更に1時間10分で櫓の立つ「大滝槍見台」についた。櫓に登れば穂高岳・槍ヶ岳が良く見える。
再びシラビソやコメツガの原生林の中、稜線より少ししたの水平にきられたトレイルを2時間少し進むと稜線に出る。南側は開けた草地でニッコウキスゲやマルバタケブキの黄色い花が咲くお花畑になっていた。

稜線を登り始めるとやがてハイマツ帯に変わり僅かで三等三角点の大滝山の南峰についた。私は以前信州百名山を目指しているときは北峰しか踏んでいないので気になってはいた大滝山ではある。
しばし休憩の後、少し汚れた水の地塘を見ながら10分で大滝山荘に下り、小屋番の若者と話をしながら昼食休憩を取る。小屋から直ぐ先の大滝北峰で穂高連峰や蝶ヶ岳方面の展望が開けた。
北峰からは鍋冠山への分岐を右に分け、ハイマツの中の岩稜帯・潅木帯・草地のお花畑を交互に繰り返しながら2回ほどアップダウンをこなすと蝶ヶ岳ヒュッテに到着した。

蝶ヶ岳ヒュッテのテンバは穂高連峰を前に常念岳や松本平などが望まれる絶好のロケーションである。稜線のテント場であるから「風が吹いたらテントがゆすられるだろうな〜」と思いながらテントを張る。小屋で買ったビールと担ぎ上げた日本酒で結構気分も良くなり、ゆっくりとそして十分に休養がとれた。

蝶ヶ岳ヒュッテの夜明けは高曇りの朝であった。テントの入口を開ければご来光が見えるはずであるが、今朝ははっきりとした五来航を仰ぐことは出来なかった。それでも夜明けと共に朝日を浴びながらその色を変えてゆく槍ヶ岳・穂高岳連峰や御嶽山・乗鞍岳そして上高地の焼岳も良く見える。

朝食を済ませ、テントを撤収し、6時20分にテント場を出る。30分ほどで蝶ヶ岳の三角点につき、輝きを増した穂高連峰をカメラに収める。6年前にも踏んだ三角点も確認する。長塀の頭に蝶ヶ岳の山頂標識が立ってはいるが、本家蝶ヶ岳山頂はこちらであると思う。少し休憩のあと、岩稜を進むと稜線の突起・蝶槍である。蝶槍を過ぎると一気の下りになりハイマツ帯そして潅木帯の中に下る。常念小屋を早出した登山者と行き交うのもこの辺りである。一旦鞍部に下り登り返し樹林帯を行く。更にお花畑が広がる草付を下り、常念岳が目の前に近づくと岩稜の2512mピークであった。対岸は穂高岳と槍ヶ岳の中間点大キレット付近にになっている。常念岳から下ってきた者、これから目指す登山者が大勢休憩し大展望を楽しんでいた。私もザックを下ろし、展望に酔いしれる。

2512mピークからは少し下っていよいよ常念岳への登路に入る。標高差は350mというところだ。ゆっくり登っても2時間もあればと思えばそれほどのことはない。ザックも二日分の食料が減っているので大分軽くなっている。岩にザックを預けながら休憩を取りゆっくりゆっくりと登る。景色は何処を見ても飽きることがない。横浜から来たという若夫婦と励ましあいながら10時過ぎには常念岳の山頂に立つ。1998年ムスコと初めて北アルプスに入り最初に立った峰が常念岳である。ちょうど十年ぶりの山頂に感激も一入である。裏銀座から後立山方面の展望も開けてきた。思えばこの10年で北アルプスの殆どの峰に立ち、沢山の稜線をつないできたのである。誰かに聞いてもらいたい自分の北アルプス山行記である。静かに10年間を回想しながら常念岳の山頂を楽しむ。

15分ほど滞頂したあと、名残を惜しんで常念岳を後にする。岩礫・岩屑の重なる歩きにくい道である。今朝大天井岳を出た登山者が次々と登ってくる中道を譲りながらゆっくりと下る。常念小屋の立つ常念乗越には山頂から50分掛かった。小屋の休憩ベンチは先客で一杯である。岩の上に腰を下ろし昼食をとる。小屋の後ろに屹立して見える槍ヶ岳の別れを告げて、一ノ沢への下山に入る。一ノ沢から登ってくる登山者はひっきりなしであった。3回ほど腰を下ろして休憩を挟み、急ぎ足で下る中年女性に釣られて一ノ沢の登山指導所には常念乗越から2時間30分掛かり14時前には下りついた。

昨日トイレ脇にデポしておいた折りたたみ自転車に乗り、9キロの林道を30分で下り、サラダ街道脇の店先にザックを預け、島々まで20キロ・1時間50分走って車を回収した。


常念岳 ジョウネンダケ 標 高 2857m 日本百名山 山 域 北Alps
登 山 記 録
登山月日 2020年10月2日〜10月3日
登山経路 10月2日
林道駐車地点9:00〜一ノ沢登山口9:15〜大滝ベンチ10:30〜烏帽子沢出合付近11:20〜胸突き八丁12:30頃〜最終水場13:00頃〜常念乗越14:20〜常念小屋14:30
10月3日
常念小屋5:30〜常念岳6:55/7:10〜常念小屋8:10/8:45〜最終水場9:30〜標高1900m地点10:40頃〜大滝ベンチ〜一ノ沢登山口12:15〜駐車地点12:30
行動時間 第一日 5時間30分 第二日 7時間  合計 12時間30分 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候 第一日 快晴 第二日 晴
メンバー 札幌市の佐々木女史と
情   報
アクセス 一ノ沢登山口まで舗装道路の林道
トレイル 一ノ沢沿いの河畔林の中 胸突き八丁から先は級とが続くがよく整備されている
常念乗越から山頂までは岩ゴロのトレイル
水場・トイレ 最終水場までは沢水随所で取れる toiletは登山口と常念小屋にある
その他 人気の百名山始めて常念小屋に泊まった 小屋主から特別配慮いただいた
山行記

<第一日目>


(左)胸突き八丁取り付き・(右)最終水場


常念乗越・常念岳


常念小屋から見る槍ヶ岳


常念小屋の夕食と朝食



日本百名山を目指す北海道の山友佐々木女史の案内登山である。
山仲間の安曇野市在住の水谷さんが見送りに来てくれた。夏バテの病み上がりで体調に不安を感じながらの登山であるが、10キロほどのザックは見送りに来てくれた水谷さんが担いでくれて9:15に一ノ沢の登山口を出た。登山道は一ノ沢の河畔を緩く登って行き中々高度を稼げない。2回ほど登山道脇に腰を下ろして休憩し、「標高1900m」標識の立つ地点まで水谷さんが送ってくれた。笠原沢出合付近からは一ノ沢沿いを直登して行き登山道には一部水の流れるところもあった。胸突八丁への取り付きに着くころには疲労で足が鈍り同行の佐々木さんが「大丈夫?ここから下っても良いですよ」と心配するほどであったが、「ここまで来れば山小屋に入る方が近いから」と佐々木さんに先に行ってもらうことにした。木製階段が随所に設けられた胸突八丁を自分のペースでゆっくりと進み、佐々木さんが休む最終水場には30分ほどで到着した。水場に流れるで喉を潤し、「常念小屋1キロ」の表示に、1時間半を覚悟して再び佐々木さんに先に行ってもらう。百歩数えて息をつなぎ100m歩いてザックを預けて休みながら登る。幸いジグザグ切ったトレイルは歩き易いのが救いであった。途中ウィダーゼリーを口にするとエネルギーチャージが出来て少しは休憩時間も短縮できた。水場から200m地点が第一ベンチで「小屋迄800m」表示が有り、第二ベンチで「小屋迄500m」、第三ベンチでは「小屋迄300m」の表示が有りよい目安であった。それぞれのベンチで休憩をとって常念乗越には最終水場から1時間20分ほどかかって登りついた。20分ほど先着していた佐々木さんが、「登山口からは4時間コースだね」と涼しい顔であったが、私のペースで歩いたので5時間ほどかかっていた。1週間前は床に臥せていた身であるから、私にとっては精いっぱいの行程である。
乗越で槍ヶ岳の出迎えを受けて常念小屋に入った。常念小屋の小屋主の宮田さんとは昨年大糸線内で知り合いになって、今年は小屋を訪ねることを約束していたので、小屋に入るとすぐに「永井さんようこそ」と声かけていただき宿泊費も半額と云う厚遇を受けた。4人部屋に通されて「今日はは多分お二人だけです。ごゆっくりお寛ぎください」と嬉しい限りのおもてなしであった。ザックを下ろし濡れたシャツを着替えてさっぱりした後、小屋の食堂脇のテラスに出て槍ヶ岳を眺めながらビールと担ぎ上げたハーフサイズのワインを飲みながらの至福のひとときを過ごした。5時からの夕食も豪華とは言えないが口当たり良く調理されたハンバーグがメインデッシュでおいしくいただくことが出来た。満月の夜で宿泊者が月を楽しむ中疲労でそれどころでない私はシュラフに潜り込んでからだわ休めた。8時の消灯時間でも部屋の電気は消されることが無かったが8時半には消灯して就寝した。



<第二日目>


朝焼けの槍ヶ岳・岩ゴロのトレイル


常念岳山頂


穂高連峰・槍ヶ岳




常念小屋の一夜は静かで快適ではあったが、やはり山小屋泊まりの興奮が有り熟睡には程遠いものが有った。それでもシュラフに潜り込んで体を休めたので朝には病み上がりの体にも生気が戻って居た。5時からの朝食を摂り、トイレなど済ませて、パッキング・部屋の片づけのあと小屋を出た。ザックは小屋の外のザック置き場に預けてサブザックで山頂アタックである。
5時半の出発であるが、まだ日の出の時間前で乗越には数名がご来光を待っていた。常念岳へのトレイルは岩屑・岩礫の岩ゴロの道で歩き難いがしっかりとジグザグ切って有り、薄明るい中でもヘッドランプなども必要とされない。今日も佐々木さんに先に行ってもらい自分のペースで歩を進める。やがて日の出を迎え後方の槍ヶ岳が赤く染まり北Alpsの夜明けであった。百歩歩いては息をつなぎ時々は岩に腰を下ろしながら黙々と登って、常念乗越からは標高差400mの常念岳山頂には1時間半かかって7時前に登りついた。佐々木さん百名山88座目の常念岳である。眼前には槍ヶ岳・穂高岳連峰が開けているが今日は高曇りの空でくっきりとしていないのが残念であった。狭い山頂で後続が登りつく中登頂記念の写真を撮り10分ほどの滞頂で常念岳を後にした。下りも足場を拾いながらゆっくりと下り1時間かけて常念小屋に下った。常念小屋の小屋主宮田さんに御礼のあいさつの後、記念写真を撮ってお暇ました。昨日はへとへとになりながら登った道をスイスイと下り、最終水場で一息入れ胸突八丁の取り付きまでは1時間少々で下り順調であったが、一ノ沢沿いや河畔林の中を下るころには足色も鈍り次々と後続に抜かれてしまい、同行の佐々木さんに迷惑をかけてしまった。登山口まで1.6キロ地点の大滝ベンチからは佐々木さんに先に下ってもらい自分のペースでゆっくりと下った。登りに5時間もかかった常念乗越からは3時間半で下りついたが、12年前テントを担いで2時間半で下ったことを思い出し、時の流れと脚力低下を思い知らされたものである。


常念岳 ジョウネンダケ 標 高 2857m 日本百名山

山 域

北アルプス

前常念岳 マエジョウネン 標 高 2661.78m 一等三角点百名山 山 域

北アルプス

登 山 記 録
登山月日 2013年11月8日
登山経路

林道終点駐車場7:20〜三股登山口7:35〜森林限界10:20〜前常念岳11:20〜常念岳12:25/12:45〜前常念岳13:35/13:50〜登山口16:25〜駐車場16:35

行動時間 登り 5時間5分 下り 3時間50分 合計 9時間15分 (休憩時間を含む)
天  候
メンバー 単独

情  報

アクセス 三股手前の林道終点まで舗装道路
トレイル 樹林帯はジグザグ切ってあり歩き易いが森林限界をけると前常念岳まで巨石の中の急登が続く 
前常念岳〜常念岳は巨石を縫うところもあるが快適稜線歩き
水場・トイレ 水場・トイレともに登山口にあるがその先は無い
その他 「このコースは急坂連続で初級者にはお勧めできない」という案内看板が有った

山行記


駐車場から10分ほど林道を歩いて登山指導所のある登山口へ


ダケカンバやシラビソ林を黙々と歩いて森林限界を抜けると前常念岳が眼前に


前常念岳は巨石の中を縫って登る・常念岳〜蝶ヶ岳の稜線の奥に穂高連峰が


前常念岳直下の岩場・前常念岳石室

十数年前ムスコと二人、登山を始めたころ初めて北アルプスに入ったのが、三股から常念岳に登り大天荘に泊まり、翌日東鎌尾根から槍ヶ岳を目指したのである。初めての北アルプス入門にしては随分とハードなコースを選んだものと今でも思うのである。当時は一等三角点などのこともよく知らなかったので、気にかけることもなかったが、今回は前常念岳の一等三角点を踏むことを第一の目標として三股登山口に来た。駐車場は登山指導所の手前500mほどのところに設けられていて数台の車が止まっていた。この時期どこの山に回ったのだろうかと気になるところである。

登山指導所のすぐ奥の沢を渡ると蝶ヶ岳への登山道と別れて右側の急坂に取りつく。少し進むと「このコースは急阪の連続で途中小屋も水場もなく遭難者が続出している。初心者の方は別の登山道を選んでください」と云う看板が立っていた。看板の通り最初から急坂が続き、シラビソ林の中をジグザグ切って高度を上げてゆく。1時間に300〜400mの高度を稼ぐようにしっかり休憩をはさみながら歩き続ける。3時間ほどで傾斜が緩み尾根に登りついた。しばらく傾斜の無い尾根を歩くと森林限界に出て前常念岳への岩稜が見えてきた。岩稜に出て一息入れた後、岩場を縫って急登をあえぐ。初めて登った時はもっと急坂であったように思ったが、山慣れした今はペース配分がわかっているので高度を上げながら変わる景色が楽しみである。常念岳と蝶ヶ岳稜線の奥に穂高連峰も姿を現している。森林限界に出てから思い通り1時間ほどで、前常念岳石室に登りついた。そして石室の上に出るとハイマツ帯の中常念岳に山頂稜線が続いていた。一等三角点を踏み忘れたが帰りの楽しみとして、山頂稜線を急ぐと先行していた若者が山頂踏んで下山してきた。私よりは30分ほど早く三股を出たそうでその速さに驚くとともに今の自分の脚力を思い知るのであった。稜線上には新雪が積もり常念乗越分岐まで来ると登山口が潜るほどであった。分岐で軽アイゼンを装着し最後の急坂を上りきって常念岳山頂に達した。山頂は西風が少し強く、槍ヶ岳や穂高連峰は残念ながら雲に頭を隠してしまっていた。前常念岳方面の来し方を振り返ると安曇野の下界まできれいに晴れ渡っていた。

山頂で昼食をとった後往路を慎重に下る。20分ほど下って山頂を振り返るころに来ると登山道に冬毛に衣替え中のライチョウが現れて目を楽しませてくれた。
前常念岳に戻って一等三角点で再度休憩の後急坂を転がるように下った。


前常念岳の一等三角点から常念岳に続く稜線


常念乗越から大天井岳方面・常念乗越から槍ヶ岳方面


常念岳山頂・前常念岳方面


常念岳を振り返るとライチョウが


前常念岳の急坂の岩場


蝶ヶ岳 チョウガタケ 標 高 2667m 信州百名山 山 域 北alps
長塀山 ナガカベヤマ 標 高 2565m 長野県の山 山 域
登 山 記 録
登山月日 2023年8月19日
登山経路 徳澤キャンプ場6:20〜長塀山10:30〜蝶ヶ岳11:30/12:25〜長塀山13:15〜徳澤キャンプ場15:30
行動時間 登り 5時間10分 下り 3時間05分 合 9時間10分計 (休憩時間・ロスタイム含む) 
天 候
メンバー 親子二人連れ
情   報
アクセス 徳澤キャンプ場愛で遊歩道
トレイル 全長約6キロ 3キロ超付近までは急登が続き荒れた所もある その後は緩やかな快適トレイル
水場・toilet 登山口の徳澤にtoilet水場自販機などある
その他 「カモシカ永井親子二人連れ登山隊」2023年お盆山行
山行記


蝶ヶ嶽山頂からの穂高岳・槍ヶ岳連峰


蝶ヶ嶽山頂


テント場・蝶ヶ岳ヒュッテ


妖精の池・森林限界


快適トレイル・長塀山


徳澤の登山道入口・蝶ヶ岳までの中間点



 「カモシカ永井親子二人連れ登山隊」の2023年お盆山行である。当初は8月14日に入山予定であったが、お盆休みを目がけてともいうべき台風7号の襲来で已む無く3日遅れの17日の入山となった。沢渡のバスターミナルから上高地に入って、河童橋からは明神を経由して2時間ほど歩いて14時には徳澤のキャンプ場に着いた。徳澤園でキャンプの手続きをして15時にはテントを張ることが出来、ビールなど飲みながらゆっくりとすることが出来た。
 翌朝は5時半に起床して食料や飲料水を入れたアタックザックを担いで6時半前にキャンプ場の脇の長塀尾根の登山道に入ることが出来た。登山道は当初は緩く快適であったがやがて急登が連続し少々荒れていた。急坂には木製のはしごなども設置されていて汗を絞られるところも多かった。ムスコとは年々足の速度が開いて30分に一度待ち合わせタイムをとりながらの登山となったが、30分に一度腰を下ろして待つムスコには45分もかかって追いつくほどである。2度目の待ち合わせでは「熊に遭ったよ」と平気な顔のムスコであった。3回目の待ち合わせのころには自分の足がなかなか進まなくなり、蝶ヶ岳までの中間ともいえる「蝶ヶ岳3キロ・徳澤3キロ」の標識が立つ地点を3時間近く経って通過した。「まだ半分かよ」と鳴きたくなる思いであった。それでも標高2350m付近での3回目の休憩の後は傾斜も緩みシラビソやコメツガ林の中の快適トレイルを行き、登山口からは4時間ほどで長塀山山頂に着くことが出来た。途中で追い越された関西大学の3人組とはそれほどの時間差が無く歩けた。
 長塀山からは少し高度を落として樹林帯の稜線をアップダウンを繰り返しながら行く。「妖精の池」を過ぎて草地を登り切ると森林限界に出て眼の前に蝶ヶ岳の前衛ピークが望まれた。そして開けた左側に梓川を隔てて穂高連峰が頭を雲に隠しながらも姿を見せていた。この辺りで後続の夫婦と女性1名の3人パーテイが大声上げながら登りついて追い越して行ったが、キャンプ道具を担いだ夫婦二人は草履履きであった。ハイマツ帯に切られた登山道を歩いて蝶ヶ嶽山頂には徳澤からは5時間少々かかって11時半の到着となった。山頂標識の前で大声上げる夫婦草履履き登山者に顰蹙を覚えながら山頂が空くのを待って写真を撮った。槍・穂高連峰の絶好の展望台であるが残念ながら頭を雲に隠したままであった。蝶ヶ岳ヒュッテ方面に少し下ってランチ休憩をとった。カップ麺にお湯を注いでの簡単昼食である。テント場にはすでに数張りのテントが張られていた。
 蝶ヶ岳三角点や蝶槍を踏んで横尾に下る予定であったが、登る途中で行き会った関西からの夫婦登山者に「横尾に下る道は急坂続きで荒れているようだ」と聞かされたので、往路を戻ることにした。下り足もムスコが早いので長塀山とその後も2回の待ち合わせタイムをとりながら下った。中間点を過ぎるころからぽつりぽつりと雨が落ちてきて気が揉めたが雨着を切るほどでもなく、自分も急ぎ足で下った。最後は休むこともなく歩いて蝶ヶ嶽山頂からは3時間で徳澤に下ることが出来た。途中抜きつ抜かれつした関西大学3人組や中高年6人組に先着で来た。
 下山後徳澤園に夕食を注文し自炊の手間を省くことが出来た。もちろんビールワインで乾杯してテントの中で喫食した。


信州百名山 蝶ヶ岳
大滝山
チョウガタケ
オオタキヤマ
標 高 2664m
2614m
山 域 北アルプス

 
穂高連峰と小雪舞う蝶槍

登山月日 2002年10月8日
登山経路 三股駐車場6:15〜常念分岐6:30〜まめうち平7:05〜蝶ヶ岳ヒュッテ10:20/(蝶槍往復)12:00〜大滝山13:10/13:30〜蝶ヶ岳分岐14:40〜三股駐車場17:25
行動時間 11時間10分
天  候 曇/アラレ/雨
メンバー 単独

情  報

アクセス 三股駐車場までは問題なし
トレイル 蝶ヶ岳新道はきつい急坂、大滝山へはアップダウンのある稜線
水場・トイレ この時期は三俣から先に水場なし、トイレは蝶ヶ岳ヒュッテ大滝山荘
その他  

山行記

蝶ヶ岳という優雅な名前は雪形からきているようであるが、三股の駐車場から登山指導所までの林道から望む蝶ヶ岳は山の形も蝶が羽を広げたように優雅に見える。
夜の明けたばかりの三股駐車場を6時過ぎに出発した。先発にTさんがいるかと思えば追いつくのが楽しみである。指導所のすぐ上の常念岳分岐を右に分け本沢を10分ほど進むと吊橋を渡り、いよいよ長い蝶ヶ岳新道に取り付く。しばらく瀬音を聞きながら進み尾根道を登るとまめうち平につく。更に歩いて朝食をとる。駐車場から1時間30分歩いて先行するTさんに追いつくことが出来た。今日は同行するわけには行かないようだ。5分ほど談笑して先を急ぐ。
涸れた蝶沢を過ぎるといよいよ樹林帯の急登が始まる。天気は曇りながらこれからは更に悪化の予報で気がもめる。樹間の右手には常念岳が見えて来て、4年前日本百名山を目指し始めたころムスコと二人苦労して登った前常念岳への急登が良く見えて懐かしい。シラビソ樹林から潅木帯に変わり標高2000mを越える地点は紅葉も終わって、木々が葉を落とし明るいトレイルとなる。稜線に近づくころになると風が強くなり、先行した夫婦隊が「ここは何回も着ているし天気が変わりそうだから帰る」と言って下山して行った。
大滝山への分岐がちょうどハイマツ帯に変わるところである。草地は夏は高山植物が咲き誇ったであろうと思われる。そこから5分もあえぐと稜線に到着した。蝶ヶ岳ヒュッテが目の前である。稜線は強風吹き荒れているが眼前に穂高連峰が飛び込んできて大感激である。ヒュッテから少し上がった方位盤の場所で雪の舞いだした穂高・槍連峰を急いでカメラに収めるが舞い始めた雪と強風で体が吹き飛ばされそうだ。山頂はどこかと特定が出来ないので急いでガイドブックを広げて確認すれば、蝶槍方面に30分とあり、急いで山頂へ向かう。常念小屋を朝出た登山者が強風の中こちらに向かってくる。「山頂はどこですか」と聞けば「山頂はヒュッテのの裏だ」と言う。横尾への分岐を過ぎて頂上らしきに立てば、三角点の脇に「旧蝶ヶ岳山頂」の標識があり、岩に赤ペンキで頂上と書いてあった。更にわずかの距離の蝶槍も踏んで、激しくなった横殴りの雪の中走るようにしてヒュッテに駆け込んだ。談話室でくつろぐTさんに頂上を確認すれば「ヒュッテ裏側のテント場の上」だと言う。今日はヒュッテに泊まり、明日冠雪した穂高連峰の写真を撮ってから帰るというTさんと別れて、テント場に向かうと、そこにも蝶ヶ岳山頂標識が立てられていた。
蝶ヶ岳の山頂を三つも踏めば間違いないと大滝山分岐まで戻って急いで大滝山に向かう。
分岐から草つきを進み、やがて潅木と草地帯のアップダウンを40分ほど歩いてハイマツ帯に出る。小ピークがいくつかあるのだろうか。横殴りの雪はアラレと変わり顔が痛い。
鍋冠山への分岐を過ぎるとわずかでタルキ(樽木)に大滝山と書かれた標識に到着した。全然山頂らしくもないし、「大滝山荘の手前にあるのはおかしいなー」と思い先に進むが、ここも蝶ヶ岳と同じでいくつかのピークがありその内の日一つだろうと思い、ここで大滝山を踏んだことにする。(後で確認すればやはりここが大滝山最高地点である)冷えた体にラーメンをとハイマツの切り開かれた登山道でコンロに火をつけ、鍋に水を入れてラーメンを探すがザックの中を探してもラーメンがない。車の中に忘れてきてしまったようだ。仕方なく冷たいおにぎりを平らげて、又アラレに打たれながら大滝分岐に戻った。
分岐からの下りは雨に変わり滑りやすくなった蝶ヶ岳新道を慎重に下り、暗くなった17時半三股駐車場に帰り着いた。

 

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